歯周病に罹患した歯の位置の変化は、①プラークコントロールが困難になる、②交合性外傷を受けやすくなる、③歯列全体の交合の不安定を引き起こす、④ブラキシズムを増悪させる、など種々の問題を引き起こします。
本書では、このような問題を解決するために、歯周組織を損傷しないように、移動させたいだけの量を移動させることが出来る“ライトフォース(弱い力によるMTM”について解説し、併せて交合異常のパターンごとに症例を提示しています。
歯周病患者のMTMを行う際の注意点
1.MTMへのモチベーションを十分に行う.
2.必要な歯を必要なだけ移動する.
・固定源をしっかり設け,相反移動はできる限り避ける
・ライトフォースで行う.
ライトフォース:30g以下
移動:月に1mm以下
3.炎症のコントロールを注意深く行う.
4.治療が複雑になることが多いので,サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)が必要である.