ゼロベース・バイオプログレッシブ法はRicketts, R M が創始したBioprogressive Philosophy と、Guigino, C F の提唱するZerobase Orthodontics という2つの臨床体系が融合したものである。
Bioprogressive Philosophyは、ユーティリティアーチとセクショナルアーチによる歯列弓分割化のテクニックをはじめ、解剖、生理学的背景にもとづく診断治療計画の立案、成長を加味した治療目標(VTP)の設定、段階的な治療術式と不正咬合のアンロッキング、咬合理論、保定などを包含する広範な臨床体系である。
一方、Zerobase Orthodonticsは矯正診断における多面的な情報を一定の論理的思考フロー、すなわりゼロベースライン・ロジックに沿って集積、体系化して推論するという帰納的な理論体系にもとづいている。
両社の融合したZerobase Bioprogressive Philosophy は、単なるテクニックを指すものではなく、診断・治療目標(VTP)・治療メカニクスの3者を直結させ、臨床の難易度に応じた個別化を行うための包括的な臨床体系の一つである。
本書は、上記のZerobase Bioprogressive Philosophy にもとづく矯正診断と治療についての「診断編」を2冊にまとめたものである。
「序文」より引用・要約