歯科臨床の核をなすと考えられているエンド治療は、近年のマイクロスコープ、コーンビームCT、MTA、Ni-Ti製ファイル等の登場、普及によって、劇的な変化を遂げつつある。とくにNi-Ti製ファイルの普及は、その切削効率の高さ、曲げ強さ等の特徴により、劇的な変化のよりどころとされてきた。しかし、一方でNi-Ti製ファイルの話題性のみが先行し、その特性が理解されないままに臨床応用されたために、突然破折する危険なインスツルメントであるかのような評価がなされることがあった。そのようななか、この問題を解決する概念として“Single Patient Use”(患者ごとにファイルを新規交換すること)が注目を集めている。このコンセプトはファイル劣化の解決策としてのみならず、同時に交差感染、マイクロクラック、ファイル管理の経済性の問題をも解消しうるもの。
本書ではデンツプライ三金から発売されている“Single Patient Use”ファイルシステム「WavaOne」と「ProTaper NEXT」に特化して、その開発経緯から実際の臨床応用例まで網羅した。
【CONTENS】
Part1 “Single Patient Use”&“シングルファイル”とは?
Part2 私の“Single Patient Use”&“シングルファイル”の臨床応用
Part3 “Single Patient Use”とは?
Part4 私の“Single Patient Use”の臨床応用
Part5 これからの歯内療法を占う