基礎から臨床へ,臨床から基礎へ
◆創傷の治癒は,歯科医療の成否に深くかかわっています。失敗症例がなぜ治らなかったのか,成功した症例は何がよかったのか,時間軸を追いながら生体の治癒過程を考察することにより,臨床での道筋がみえてきます。
◆本書では,「創傷の治癒」をキーワードに,臨床で遭遇するさまざまな問題を臨床症例を提示しながら,臨床病理の目で探り,解明していきます。
◆日々の臨床で直面する疑問や悩みの解決の糸口を探るための参考書として,また臨床のレベルアップを目指す先生方に,ぜひお薦めしたい待望の一冊です。
CONTENTS
第1章 創傷の治癒総論 -基礎から臨床へ-
1.創傷の治癒の概念
2.末梢神経の重要性と治療
3.血管の重要性と治癒
第2章 なぜ創傷の治癒を学ぶのか?
1.なぜ創傷の治癒なのか?
2.なぜ治りが悪い?1 -創傷の治癒とバトン-
3.なぜ治りが悪い?2 -感染と糖尿病-
4.口腔内の特殊性 -なぜ傷が早く治るのか-
5.病態学的概念と臨床的概念 -炎症と創傷の治癒-
6.創傷の治癒を臨床にどのように活かしたらよいか
-臨床家が創傷の治癒を考えた治療を行うために-
第3章 痛み,歯周病,根尖病変と創傷の治癒
1.抽象的な患者の訴え
2.痛みの閾値と刺激の種類
3.歯根膜の創傷の治癒1 -歯牙移植-
4.歯根膜の創傷の治癒2 -歯牙破折-
5.歯髄の創傷の治癒 -特殊な結合組織・歯髄-
6.歯根膜の創傷の治癒 -根尖病変-
7.歯髄炎に至経路
8.骨膜の創傷の治癒 -炎症と過剰骨造成-
9.歯周炎の創傷の治癒 -創傷の治癒も炎症の中身-
10.厚い歯肉と薄い歯肉
第4章 インプラント治療と創傷の治癒
1.インプラント・組織界面の発生
2.オッセオインテグレーション
3.サイナスリフト
4.GBRで作った骨
5.移植骨の経過
6.アレルギー反応
7.即時埋入インプラントの周囲には何が起こっているか?
8.即時荷重の最適な大きさは?
9.インプラント間に天然歯のような乳頭は作れるか?
10.インプラント治療を改めて考える
-創傷の治癒を考えたインプラント治療-
第5章 遺伝子検査,再生医療と創傷の治癒
1.創傷の治癒・再生総論
2.創傷の治癒と遺伝子診断
3.創傷の治癒と再生医療 -置換医療から再生医療へ-
4.再生利用の現在