口腔粘膜には口腔に限局した病変から全身疾患の部分症、あるいは初発症状など、さまざまな病変が生じます。なかには早期に対応しなければならない病変も含まれています。
本書では、口腔粘膜疾患の基本的事項について解説を加えた後に、口腔を5部位に分けて、それぞれの部位に高頻度にみられる疾患名、日々の臨床で遭遇する機会の多い口腔粘膜疾患(悪性腫瘍、良性腫瘍、嚢胞を含む)について、実際の症例を供覧。そして、専門の医療機関での検査が必要な疾患か否かについても解説を加えました。後半では全身疾患と関連した口腔粘膜疾患について総説的に解説しました。
口腔粘膜疾患の診断には“ 見た目の図柄” がきわめて重要であり、診断に際してはまず似たような所見を示す疾患を探すことが大切です。そのためできるだけ多くの写真を掲載しました。そして最後に口腔粘膜疾患を有する患者さんに対する口腔ケアの実際について追加しました。