タバコの使用は非感染性疾患(NCDs)における共通のリスクファクターであり、WHOでも「禁煙イニシアチブ」や「口腔保健プログラム」などの勧告が行われている。
しかし、口腔保健従事者が禁煙介入をする際の主な障壁は、知識と能力の欠如、専門家のリーダーシップの欠如、禁煙介入と口腔衛生プログラムの統合の欠如などである。
本書は最新のエビデンスに基づき、禁煙が口腔の健康にもたらす利点、健康を改善するかどうかを評価するためのシステマティックレビューの方法・結果・考察をまとめたものである。
WHOの禁煙方針に従い、簡易禁煙介入を口腔保健プログラムに統合するための政策勧告がなされている昨今、歯科医院に通うすべてのタバコ使用者が簡易禁煙支援を受けた場合、喫煙率に大きな影響を与えることは間違いない。
本書がタバコの使用と口腔疾患の因果関係を読み解き、歯科における簡易禁煙支援の一助となれば幸いである。
【目次】
Part I タバコの使用と口腔疾患の関連:システマティックレビュー
1.はじめに
2.システマティックレビューの方法
3.結果
4.考察
5.文献
Part II 口腔保健アウトカムに対する禁煙の潜在的効果:システマティックレビュー
1.はじめに
2.システマティックレビューの方法
3.結果
4.考察
5.文献
Part III プライマリーケアにおける簡易禁煙支援を口腔保健プログラムに統合:政策提言
1.はじめに
2.禁煙を推進するために国家口腔保健プログラムは何をすべきか?
3.臨床現場を超えてのタバコ規制への従事
4.結論
5.文献