歯科医院を受診する高齢者が全身的な基礎疾患を有している可能性は高く,安心・安全な高齢者歯科医療を提供するために,歯科医療従事者は全身的偶発症に対する知識や対処法を身につけておく必要があります.
本書では,高齢者の歯科治療において身につけておくべき
①高齢者の生理的特性と全身疾患の知識
②全身疾患別にみた歯科治療の留意点と起こりうる偶発症
③偶発症発生時の対応
の3点を柱に,著者の豊富な臨床経験,最新の知見,そしてガイドラインや評価基準の裏付けをもとに,あらゆる症例とあらゆる偶発症への予防と対応をわかりやすく解説しました.
PCI,カテーテルアブレーションや人工ペースメーカーなどの治療法と全身状態の関係,JSH2009をはじめとする最新のガイドラインなどから,歯科治療の適否と起こりうるリスクを考察.また,予防的抗菌薬投与の考え方,BRONJなどのトピックも押さえ,盤石なリスクマネジメントを行うために,ぜひ備えておきたい一冊です.
【目次】
総論
1 リスクとリスクマネジメント
2 高齢歯科患者の実態
3 高齢者の特徴
4 リスクマネジメントの基本
各論
1 循環器疾患
2 神経疾患
3 呼吸器疾患
4 代謝不全
5 内分泌疾患
6 腎尿路疾患
7 肝疾患
8 血液疾患
9 膠原病
10 全身的偶発症にはどう対応するか