小児の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、アデノイドや口蓋扁桃肥大、鼻炎のほか、顎顔面の発育不全などが要因で、いびきや体動、日中の眠気、ポカン口といった症状がみられ、注意欠如・多動性障害(ADHD)の発現に関連するといわれており、心身の健全な成長のために早期発見・早期治療を行うことが大切です。
この小児OSAに対し、歯科は定期的に口腔内の状態を観察できるため、その要因に早期に気づき、適切に対応することを期待されています。
本書は,小児OSAの特徴や病態、咬合との関連性、上顎の拡大矯正や口腔筋機能療法の実際、舌機能不全へのアプローチなど、歯科医師が知っておくべき知識と対応について、各領域のエキスパートが解説しています。
【内容構成】
はじめに 小児の閉塞性睡眠時無呼吸と歯科
Ⅰ 小児の閉塞性睡眠時無呼吸と咬合状態は関連するか
Ⅱ 小児期の睡眠関連呼吸障害の特徴、鼻呼吸障害・アデノイド・口蓋扁桃肥大との関連
Ⅲ 上顎の拡大矯正RMEの実際
Ⅳ 小児の閉塞性睡眠時無呼吸に対する歯科医師の役割
――上顎急速拡大に関する論争の顛末
Ⅴ 新しい舌教育プログラムTongue Right Positioner:TRPの紹介
Ⅵ MFTの実際――顎顔面口腔周囲筋群の訓練方法の活用
Ⅶ 小児期の口腔機能発達不全が老年期のオーラルフレイルに及ぼす影響
Ⅷ おわりに 小児の閉塞性睡眠時無呼吸に対する歯科の役割
――Airway Dentistryの創生