◆著者の咬合理論のすべてをこの1冊に!
◆50年にわたる著者の臨床経験から導かれた咬合理論の集大成。
◆咬合は、どのようにして完成し、咀嚼や会話の機能をどう司り、生涯をとおしてどのように変化するか。この解明から、正しい咬合と咬合病の姿がみえてくる。
◆著者より
日本顎関節学会は、2013年に「顎関節症の病態分類」を公表しました。この分類は、Ⅰ型からⅣ型に分けられ、Ⅲ型は、関節円板障害型の顎関節症で、それには復位性と非復位性があり、Ⅳ型は変形性関節症とされています。
著者は昔、顎関節症に関して次のような疑問をもったことがあります。
★Ⅲ型とⅣ型の顎関節症の治療法は、どのように違うのか。
★顎関節症の治療とは、関節円板を正常に復位させることや、変形した下顎頭を元の形態に戻すことだろうか。
★関節円板が前方転位を起こしたり,顎関節に変形をきたす病因は,本当に異常習癖やストレスなどの精神心理的因子の複合したものか.
★顎関節症の治療にスプリントを用いるが、その厚さは何mmで、咬合調整はどのようにするのか。
これらの臨床的根拠はどこにあるのか。顎関節症の病因や治療法は、今日においてもまったく解明されていません。咬合性外傷、歯周疾患、そして、ブラキシズムの病因もまた、明らかになっていないのです。本書を読んでいただければ、大学で学んだ咬合の概念が一変し、上記の疑問に対する回答を得ることができます。
また、本書の咬合理論を実践に生かせば、明日からの治療が変わり、診療時のストレスがなくなります。そして何よりもうれしいのは、患者さんが笑顔で来院されるようになることです。なぜなら、患者さんは日々の治療をとおして、徐々にそして確実に、噛めることを実感されるからです。
【主要目次】
◇咬合の完成と変化◇
Chapter1 咬合の完成
Chapter2 咬合の経年変化
Chapter3 歯科治療による咬合の変化
◇中心位と中心咬合位◇
Chapter4 中心位と中心咬合位
-その臨床的意義
Chapter5 中心位への誘導
-その臨床的意味
◇咀嚼運動の理論◇
Chapter6 咀嚼運動
Chapter7 理想的な咬合様式
正常咬合の臨床的基準
◇咬合病◇
Chapter8 咬合病の定義と分類
Chapter9 咬合病の診断と治療
Chapter10 歯科治療に潜在する咬合の問題