口腔疾患の専門家として「こころの病気と対峙する」、そんな時代です。
歯科医が精神疾患を有する患者を診る機会は少なくない。しかし、精神科と連携して診療している歯科医は多くない。そして、患者への説明の仕方や対処法がわからないまま、不必要な処置を行ってしまうことがある。そんなとき、精神疾患を含めて患者の状態を正しく把握し、対応する知識があれば適切な診療や連携が可能となる。本書では、さまざまな“こころの病気と歯科治療”にまつわる諸問題を取り上げ、歯科医療に造詣の深い精神科医、心身医学の知識をもつ歯科医が編纂した業界初の書。ぜひご一読を!!
【CONTENTS】
第1章 精神疾患と歯科治療
1 精神疾患概論
精神医学と身体症状との関連/歯科心身症と精神医学
2 神経症圏
身体表現性障害/転換性障害・虚偽性障害・詐病 他
3 気分障害圏
4 統合失調症圏
5 認知症
精神科からみた認知症/歯科からみた認知症
6 対人関係に注意すべき疾患
パーソナリティ障害/発達障害圏/知的障害
7 依存に関連する疾患
アルコール依存症/摂食障害
8 薬物に関連した問題
9 その他、精神科医療に関連した問題
第2章 こころの病気を考慮すべき口腔関連症状と歯科治療
1 感覚の問題
歯・歯肉痛/舌痛・口腔灼熱感/顎関節痛・咀嚼筋痛、顔面痛
口腔乾燥感/味覚の異常/咬合異常感 他
2 口臭の問題
身体表現性障害/転換性障害・虚偽性障害・詐病 他
3 運動の問題
開口障害・咀嚼困難・嚥下困難/下顎・舌の不随意運動
4 審美の問題
5 歯科治療時の注意
補綴歯科治療時の注意点/保存歯科治療時の注意点
口腔外科治療時の注意点/インプラント治療時の注意点
第3章 コミュニケーションとインフォームド・コンセント
患者の心理/医療を進めるコミュニケーション
医療を進めるインフォームド・コンセント