今や美しいスマイルの獲得は、矯正歯科治療において重要な要件となっています。
多くの症例や海外の有名矯正医の症例を検討した結果、上顎前歯の6前歯の並びにおいて側切歯1に対して、中切歯が1.41、縦横幅 縦1に対して横が0.75~0.8になる排列こそが美しいと感じる歯のプロポーションであるという研究に至りました。
そして上顎前歯の歯の配列を、1:1.14というエステティック(Ethetic,審美的)プロポーションに仕上げることを目標とする矯正治療は、ブラケットポジション、トルク、アンギュレーションや歯列弓の形態の全てに関わってくると理解できると、大変重要で難しいことがわかりました。
症例編では、咬合および側貌の改善に加え、より美しいスマイルを獲得できるように、上顎前歯の歯の配列をエステティック(審美的)プロポーションに仕上げることを目標とした治療計画を立案し、IPRやカンタリングを実施した症例を詳説しています。
多くの患者さんが矯正治療後に自信をもって笑え、美しいスマイルを獲得できるようになるために、本書がほんのわずかでも役に立つことを願っています。
<目次>
はじめに
概論編
1章 スマイルデザインとは
2章 スマイルデザインのためのマクロエステティックの項目
3章 スマイルデザインのためのマクロエステティックの項目
4章 審美性の高い治療効果に必要な処置
5章 より審美的な治療結果を得るための処置
症例編
症例1 IPRとホワイトニングを施したAngle I級叢生症例(非抜歯)
症例2 イレギュラー抜歯のためカンタリングを施したAngle III級叢生症例
症例3 IPR、カンタリングを施したAngle I級過蓋咬合を伴う叢生症例
症例4 カンタリング、ホワイトニング、歯肉移植を施したAngle II級叢生を伴う上下顎前突症例
症例5 前歯部抜歯を行ったため補綴処理を施したAngle I級叢生を伴う上下顎前突症例
症例6 IPR、カンタリングを施したAngle II級叢生を伴う過蓋咬合症例
症例7 IPR、ホワイトニングを施したAngle II級叢生を伴う上顎前突症例