誰もが経験する総義歯臨床の難題、それは術後に患者さんから「痛い!」「外れる!」と言われることです。
きちんとした手順を踏んで作製したつもりでも、臨床では予想外のことが起き、対処を迫られます。なかでも「痛い!」「外れる!」に対しては、即対応・即解決が求められます。
本書では、患者さんから訴えられる「痛い!」「外れる!」への対処を“他院で作った義歯”と“自院で作った義歯”の分け、より実践的に即対応・即解決への道を示します。
【CONTENTS】
PartⅠ 他院で作った義歯が「痛い!」「外れる!」にどう対処するか
1 できる限り手をつけない
2 そして,手をつける前に
3 他院で作った義歯をどう治すか
1.患者さんの義歯への要望を確認する
2.手のつけ始めは,「スムーズにする」
3.「痛い!」ところは削る,「外れる!」にはまず義歯安定剤を
4.咬合がからむと,上顎は「外れる!」,下顎は「痛い!」
5.咬合が悪い2つの場合
6.「外れる!」義歯の診査
① 上顎床の維持安定のチェック!
② 咬合のチェック!
③ 下顎の形態のチェック!
4 新義歯製作のための旧義歯と口腔内の観察
1.咬合平面
2.咬合高径
3.上顎顎堤の頬側吸収状態および上顎顎堤頂の移動状態
4.下顎顎堤の付着歯肉の有無ないしその幅
5.旧義歯が原因で悪いことが起こっていないか
5 新義歯を作る前に知っておきたい12のコツ
1.総義歯には総義歯の形がある
2.おやまの法則を知る
3.総義歯の模型に外形線は引かない
4.印象はボディコンにする~骨の形を採る
5.研磨面ではなく把持面であると考える
6.義歯を押さえる筋肉と外そうとする筋肉がある
7.レトロモラーパッドを覆う
8.咬合平面はカンペル平面と平行にする
9.基本は上下別々に作る
10.中切歯の位置が決まり,咬合平面が決まったら,すべてが決まる
11.臼歯部の頬舌的排列位置はパウンドラインを基準に
12.上顎は顎堤頂の上に排列するわけではない
6 新義歯を作る工程
PartⅡ 自院で作った義歯が「痛い!」「外れる!」にどう対処するか
1 「痛い!」はまず粘膜面をチェックする
2 上顎が「外れる!」は直接リライニングする
3 下顎はまず咬合調整をする
4 周囲筋肉による「外れる!」
5 最後に,「一番最初に大事なこと」
One Point Column
1 ピッタリさせると痛くなる?
2 デンスポットとホワイトシリコーン
3 デンチャーアドヒーシブとホームリライナー
4 動かないようにしたら,動かさないようにしろ
5 おやまの法則
6 咬合高径の決定法はない
7 水平的顎位を決定する
8 咬合採得してから印象採得する
9 時間外労働のすすめ,休日診療のすすめ
10 パーシャルデンチャーと総義歯のリライニング法の違い
11 なぜ,リマウントが必要なのか
12 義歯の最大の長所は
13 クレーム処理を通してファンを作る
14 名高い雨乞いの祈禱師