砂糖消費量が極めて少ない日本、それなのにう蝕が比較的多いのはなぜでしょう?
また、このような状況に有効なフッ化物応用が進まないのはなぜでしょうか?
フッ化物応用委員会では、これらの背景をむし歯予防に科学的根拠の質の高いフッ化物利用に対する正しい理解の不足や公衆衛生的対策の遅れにあると考察しつつ、最大多数の最大幸福を目指すため、特に集団フッ化物洗口の普及啓発に努めてきました。その結果、1970年・新潟県西蒲原郡弥彦村から始まった集団フッ化物洗口は全国に普及拡大、2019年3月には14,359施設、1,573,535人で実施と報告されています。
しかし、各自治体や歯科医師会で作成されたフッ化物関連の解説書およびQ&Aは内容や数にバラツキがみられ、決して一元化されたものとは言えません。そこで我が国のフッ化物洗口から50年以上が経過した現在、これらに関するQ&Aを網羅・一元化したものが本書です。う蝕とその健康格差の縮小に、ぜひ本書をご活用ください。
目次
1 恩恵
2 安全性
3 フッ化物洗口の実践
4 公共政策
5 費用
6 新型コロナウイルス感染症