近年、歯周治療に関する検査・材料・薬剤・機器の進化は著しく、新しい手法も多数開発され、歯周治療の技術革新が進展しています。
一方、多くの研究論文と臨床歯科医師による情報が錯綜する中で、現時点における正しくかつ新しい統一見解(コンセンサス)が求められています。
このような現状の中で、大学歯学部・歯科大学および歯科開業医から、歯周病の各分野でリードしている十数名の歯科医師、研究者や歯科衛生士が集まり、歯周治療における各種テーマについてディスカッションするミーティングを企画しました。
本書は、2019年7月27日に実施した、『第1回 歯周治療のコンセンサス ミーティング』をまとまたものです。
このコンセンサス ミーティングは、2017年のワールドワークショップで報告された「歯周とインプラント周囲疾患・病態の新分類」のうち歯周炎の分類に焦点をあて、歯周炎の実態に沿った検査・治療との関連を基礎にして行われました。
本書では、そのミーティングでの議論を踏まえ、臨床論文・症例報告・臨床経験のバランスを配慮しながら、発表した内容および臨床質問に対するコンセンサスレポートを、わかりやすい文章表現と図表を存分に活用してまとめました。
本書が、医療機関で活躍している臨床歯科医師・歯科衛生士ならびに歯科教育・研究機関に携わっている先生方にとって有益な情報となりますことを願っております。
【CONTENTS】
PART1 歯周炎新分類(2017)のアウトライン
参考資料1 Periodontitis stage
参考資料2 Periodontitis grade
PART2 歯周炎新分類(2017)のコンセンサスレポート
PART3 歯周炎新分類(2017)を理解するための知識と臨床
Chapter1 歯周炎と歯肉縁下細菌叢の関係に関する研究の現状
Chapter2 宿主応答から見た歯周炎病因論
Chapter3 新分類(2017)におけるグレードA-B-Cと推奨される治療法の関係は?
Chapter4 新分類(2017)におけるステージとグレードを反映した検査
Chapter5 新分類(2017)による詩集治療のディシジョンメイキング
【世話人】
吉江弘正・二階堂雅彦・畑めぐみ
【コメンテーター】
石川知弘・石原和幸・和泉雄一・浦野智・小方頼昌・菅野文雄・五味一博・清水宏康・多部田康一・築山鉄平・冨岡栄二・水上哲也・三辺正人